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初日、2日目を終えて(宍戸大裕)

2013年6月6日

6月1日から、映画の公開を迎えました。
ご覧下さった方から口々に、「感動した」「本当に観てよかった」「知らなかった現実を知ることが出来た」「自分にできることを考えはじめたい」「目線の温かい優しい映画だった」、そうした言葉を掛けていただきました。
ようやく辿り着いた初日、そして2日目。思い返していたのは、この震災を生きぬいてきた動物たちのまなざし、そして動物たちを見つめる人びとのことでした。全国、津々浦々からこの映画に対する熱い応援を、日々感じています。
一方で、その熱がまだ劇場まで届ききってはいないな、ということも感じています。何故でしょうか? 2日目にお越しいただいた渡辺眞子さんが、トークの中で自身の経験を踏まえ、こんな話をしてくれました。

 

ペットの殺処分問題を、知らない人に伝える時“可哀想なのは観たくない”“もう知ってるからいいわよ”、という反応がある。私自身もそうだった。
でも、初めて行政施設に行った時、昨日まで家族として飼われ首輪をつけていた犬が殺処分の機械の中で糞尿にまみれ、まだ眠っているように死んでいる。焼却炉の中であったかい骨になる。それに触れた時、“知ってたはずの現実”って何だったんだろう?何を知っていたんだろう私は?と驚いた。
被災地の動物たちのことも同じだと思う。ニュースを観た方は“もう分かってる”というと思うんだけど、分かってない。
「観ること」、観てねと「薦めること」、観た後で「どうしようか」と考えること、それは小さなことかもしれないけど、決して立ち止まっていない、明るい方向に向いている行動だと思う。知る過程で、癒されることもある。明るい方へ、みんなと向かっていきたい。

 

映画を体験することで、“知ってたはずの現実”が、“確かに知っている現実”に変わる。
「知る」という過程にこそ、希望のはじまりがあるのだと改めて教えられました。
心を癒す場所、渋谷ユーロスペースでみなさまをお待ちしています。

宍戸大裕

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