
矢野顕子(ミュージシャン)
より良い判断は、より正確な知識からだ。
私たちは全能でも万能でもない。
全犬猫牛を幸せにする事は出来ない。
が、無能でもない。
悩むことの必要性を教えてくれるのがこの映画です。
見てよかったあ!
星野智幸(小説家)
宍戸さんの誠実な人柄が全編にあふれつつ、決して目を逸らさない姿に、共感いたしました。
どうしても震災ものを見ると、感情が崩壊してしまって、この映画も見ている間中、平静ではいられなかったのですが、同時に、その傷ついた感じを治してくれる作品でもありました。
たぶん、答えを出すのでなく、現実を受けとめようとしているからだと思います。
落合恵子(作家/クレヨンハウス主宰)
……目をそらさないでください。
これが、わたしたちが作ってしまった「社会」の現実です。
わたしたちにはしっかり見つめ、受け止める責任があります。
すべては、そこから……
荻上チキ(評論家)
あの日、「お前はどの山に登るのか」と問われた気がした。
この映画にも、まったく同じ問いが埋め込まれている。
去る、残る。生かす、殺す。捨てる、護る。つまらぬ議論と目をそらす。
「犬と猫と人間と2」が記録したのは、それぞれの道を歩む者たちの姿だ。
映しだされた光景は、もはや頭から離れない。
答えはないが、この対話から逃げることは、もうできなくなった。
フジコ・ヘミング(ピアニスト)
災害が起きても、ニュースは人間の事ばかりで動物たちの状況はわからない。
避難所にも入れないなどと聞くと、「人間は動物たちよりヤバン」と毎回ムカついていましたが、この映画ができて、少しなぐさめられました。
多くの人に観てもらいたい作品です。
太田匡彦(AERA記者)
災極限状態は、人間の美しさも醜さも浮き彫りにする。テレビや新聞には美談があふれたが、弱き者への過酷なしわ寄せは間違いなく存在した。宍戸大裕監 督が構えるカメラによって映し出された「弱き者」、動物たち。彼らの眼差しはまず、私たち人間の醜さをとらえたのではなかったか。だが傷ついた動物たちに 救いの手を差し伸べたのも同じ人間。そして動物を救うという行為が、その人間の心を救っているように、私には思えた。人間が動物とともに暮らす意味を、改めて深く考えさせられる作品だ。
平松恵美子(映画監督/『ひまわりと子犬の7日間』)
犬も猫もそして産業動物と言われる牛も、彼らが望んだのではなく、人間が望んで、必要として人間社会に招き入れた動物たち。
大震災を経て、人間の罪深さを思い知らされる一方で、「出会ってしまった命だから」その命に責任をとる活動をひたむきにする人もいる。
そのことに大きな勇気と希望をもらいました。
藤代冥砂(写真家・小説家)
出来事が想像を超えてしまった時、私は感じる全てを傍らに置いて、ただ、ただ、考える。
堂々巡りを繰り返し、返答の無い荒野を彷徨うとも、ただ、ただ、考える。
少なくとも考え続けることだけは、あきらめない。
犬童一心(映画監督)
「どうせ死ぬはずだったんだから見殺しにしたっていいじゃないか?」。身の丈のカメラアイが捉える、震災の中に投げ出された動物の姿、人の心。動物達の目がじっとカメラを見つめる。その目の奥に宿った命の光。そして、いつしか、どんなときも人であろうとするために闘う「抵抗」の物語が浮かび上がってくる。心揺さぶられた。ローポジションは前作に続き、粘り強く真摯な、必見の作品を生み出した。観て、語りあって欲しい映画だ。
清水浩之(ゆふいん文化・記録映画祭コーディネーター)
《経済価値》なしとされた牛の救援に奮闘する人々を描いた後半が素晴らしい。
「出会ってしまった命だから」という言葉に、ヒトとしての《仁義》を再認識させられる。ボランティアの人たちはなぜ孤立もおそれず救援活動を続けるのかを、宍戸監督&飯田Pのコンビが丁寧に解き明かした構成が見事。「バカを承知で」共闘に乗り出す牧場主さん、まるで任侠映画の池部良みたいにかっこよかった!
松本秀樹(ドッグライフコンサルタント)
インタビューしている時にその対象者さんが首から下げている放射能測定器がけたたましく鳴り響く。
本物?と疑いたくなるような動物達の死体が映る。紛れもない真実であるそれらを見ている間中、自分が自分に問いかける「生きるとは?」「生きているとは?」「生かすとは?」「命とは?」「正義とは?」・・・
この映画のショッキングな場面を見て、なるべく多くの人の心がショックを受けてもらいたいと思いました。
その心のへこんだ部分、壊れた部分から問いかけた答えが返ってくるような気がします。
渡辺眞子(作家/「捨て犬を救う街」)
いのちは儚い。心はもろい。けれど、たくましい。
この作品が暗闇に射す一筋の光となり、次の世代への道しるべとなってくれますように。
杉本彩(女優/作家)
動物たちのいのちを見捨てる国に、人の幸せなどあるはずがない。
だから人の幸せを考えるとき、この作品に映る動物たちの姿から、目を背けてはいけないのだ。
[2013年1月に行われた完成記念上映会でのアンケートより、感想を一部抜粋してご紹介させていただきました]
小学3年生女子
心にのこったのはコロスケのことです。がんばってかいぬしがひなん場所につれてきたのに、「犬は入れちゃダメ」と言われ、外の鉄のぼうにつなげましたが、犬はつなみで死んでしまいました。ひなん場所の人が考えて犬を入れてくれればよかったのに。かいぬしが「外につながなければよかった」と思っているなんて・・・次、もしつなみがくるようなことがあっても、犬と人をはなし、犬だけむしするようなことはしてほしくないです。人も動物も同じ命なのに、なんでぜったい死ぬようなことをしろというの?と思いました。
小学5年生男子
牛を助けるために少人数でがんばっている人がいるのがすごいと思った。犬や猫だけかと思っていた。
原発から近い所であるにもかかわらず犬と猫を助け続けていることにおどろいた。
1年8ヶ月も野良犬をやっていた犬が保護された時はどうやってこんなに長く生きのびたのかと思った。
小学5年生女子
被災した犬や猫、動物たちの現状を初めて知り、津波は、自然がおこす大変なものだと改めて感じた。だけど、ボランティア活動をしている人がいることを知って、えらいと思った。餓死してしまう動物たちも少なくないけど、今も、餓死している動物がいると思うので、ボランティアさんの活動を見て、感動した。自分でも、被災地のために少しでも活動したい。
小学6年生女子
犬や猫もたくさん亡くなってしまったけど、これからもまだ野生になってしまった動物たちをたすけるボランティアをこれからもつづけて、動物たちをすくってほしいです。
私は今でもまだ犬や猫のかい主が見つかっていない人がいるなら1日でも早く見つかって、しあわせになってほしいです。
そして少しでも多くの人がこのような映画を見て動物たちの本当の気もちを分かってほしいと思いました。
保護者のYさん
悲惨な死体の映像などは、入れない方がいいという意見をよく聞きますが、うちの娘は「これが本当にあった姿なんだ」としっかり見ていたし、「気持ち悪い」とかいうのではなく、「こんなかわいそうなことがおきちゃったんだ」と感じたようです。
保護者のMさん
映像の中には、かなり強烈なシーンがたくさんありました。子供達にこのような映像を見せた事に正直多少のためらいがありましたが、子供達は思いの外冷静に受け止めていました。真実を見ることの辛さや大切さを感じてくれたのかもしれません。